◆ラジコン潜水艦、その浮沈システムについて◆
【第6回】

Back 1 2 3 4 5 6 7 Next

●ハイブリッド・バラストダイブ

 ガス・バラストやポンプ・バラストとバラストシステムをメインバラストタンクとして、補助用のトリムタンクとして小さなピストン・バラストを組み込んだバラストタンクのメカが、ハイブリッド・バラストバイブ・システムです。

 ガス・バラストでは微妙な浮力調整が出来ませんが、ピストンバラストと組み合わせることで、潜望鏡深度やホバリングが容易になります。また、ガス消費に伴う浮力変化にも対応が可能です。

 ポンプ・バラストの場合は、シュノーケルタイプのバラストタンクとピストンバラストを組み合わせることで、やはり微妙な浮力の調整が出来ます。シュノーケルタイプの場合、排水時にはシュノーケルを水面上に出さないと吸気が出来ないため、バラストタンク満水時にシュノーケルが水面上に出るくらいの正浮力にしないといけないのですが、ピストンバラストと組み合わせることで、ホバリングが可能になります。

メインバラストタンク、ピストンバラストタンク共に、空の状態で喫水線浮上の状態になります。

メインバラストタンクが満水の状態で、セイル深度程度にしておくと良いでしょう。

ピストンバラストに注水する事で、ゆっくりと潜航することが出来ます。

 ピストンの駆動は、トルクの大きなサーボで動かすのが簡単ですが、ピストンにラックギアを取り付け、モーターに取り付けた歯車の回転で動かすことも出来ます。

 ピストンの駆動によって、前後バランスがずれますので、注意が必要です。



★長所
  • ピストンの位置を微調整できるため、微妙な重量バランスをとることが出来き、水中停止(ホバリング)が容易
  • サーボでピストンを動かす方法は、構造が簡単で作りやすい
  • ピストンバラスト単体よりも大容量のバラストタンクが作れる

★欠点
  • ピストンの自作が難しい
  • 艦内圧力の増減に耐える構造にする必要がある
  • 前後バランス調整が少し面倒
  • ピストンの駆動分、電力を消費する。ポンプ式との併用ではそれが顕著となる

Back 1 2 3 4 5 6 7 Next

上へ TopPage

[2009/01/30:執筆:雲山]