◆ラジコン潜水艦、その浮沈システムについて◆
【第2回】

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 前回は、浮力と重量について説明しましたが、今回から実際のラジコン潜水艦に使われている浮沈のメカニズムについて説明していきます。

 RC潜水艦の浮沈システムのタイプは、大きく分けて下の5つに分類することができます。
  • ダイナミカルダイブ
  • ガス・バラストダイブ
  • ポンプ・バラストダイブ
  • ピストン・バラストダイブ
  • スラスターダイブ
 それぞれについて船体構造と浮力⇔重量バランスを説明します。

●ダイナミカルダイブ
 一番簡単な潜水艦の浮沈方式です。

 船体内にバラストタンクは無く、推進力を潜舵によって受け止め下向きのチカラ=潜航力を発生させ、船体を傾け水中へと潜っていきます。そのため、推進力(モーター)を止めると浮いてきます。この構造のため水中での停止(ホバリング)や垂直方向への浮沈は不可能ですが、バラストタンクを持たないカンタンな構造であるため製作は容易です。また艦を見失っても推進力(モーター)を止めれば、しばらくすると艦が浮いてくるので安心です。



 喫水線上の浮力を小さく抑えておけば少ない推進力で潜ることができますが、喫水線が低いと浮力が大きいためなかなか潜ることができません。U-BOATの様な可潜艦の場合、喫水線が低く喫水線より上の浮力が大きくなり、潜らせるための大きな推進力が必要となってしまいます。そのため、セッティングとしては艦橋あたりまで沈む程度の浮力にする必要があります。


 浮力調整は比較的簡単で、走らせながらセッティングをとれば安定した走行が楽しめます。

★長所
  • メカニカルトラブルが発生しても予備浮力があるため、推進力を止めれば浮上出来るのでレスキューが容易
  • 構造がカンタンなため作りやすい
  • 重量バランスがシビアでは無いため調整がラク

★欠点
  • 推進力を潜航力とするため推進力が必要
  • 水中で停止・ホバリングは出来ない

 次回は、バラストシステムの中でも代表的な『ガス・バラストダイブ』について説明します。

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[2008/12/17:執筆:yoshi / 編集:雲山]