◆ラジコン潜水艦、その浮沈システムについて◆
【第1回】

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●はじめに
 これからRC潜水艦を始める方において、RC潜水艦ってどうやって潜るの?仕組みはどうなっているの?と思っている方々に構造と仕組みについてカンタンではありますが、ご説明したいと思います。では、まずIntroduction!!

●浮力と重量の関係について
 浮力といえばまずアルキメデスの定理(^∀^)/
  • 物体を液体に沈めた時、その物体は押しのけた液体の重さと等しい浮力を受ける。
  • 流体の中で静止している物体は、流体から浮力を受ける。その向きは重力と反対で、流れ出た水の重さは物体の浮力と等しくなる。
 ここでは上向きに働く力を浮力、下向きに働く力を潜行力と表現することにします。

 まず、一辺10cmの立法体について考えてみます。

 立方体の体積: 10cm×10cm×10cm=1000cm^3

 水は1cm^3あたり1gなので1000cm^3=1000gの浮力が発生します。この立法体の重量が500gの場合喫水線はドコでしょう?上向きに浮力1000g、下方に重量500g、ベクトルとして考えると上向きに500gとなり浮いています。喫水線は立方体のちょうど真ん中となり、喫水線上に500g分出ています。



 では、立法体の体積はそのままに、重量が500g⇒800gとなった場合はどうでしょう?

 これもベクトルで考えると、上向きに200g、喫水線上に200g分出ています。4/5が水の中に沈み1/5が浮いていることとなります。このように、体積が一定の場合は、”重量によって水面上に浮いている部分”=”喫水線位置”が変化することとなります。



●浮力の変化
 ではもう少しカンタンなモノで浮力と重量の関係を考えてみましょう。身近なところで、ペットボトルを使って浮力を考えてみます。下図にある3つの500mlのペットボトルですが、左からカラッポ・半分水入っている・満水の3つを用意します。


 これらをお風呂に浮かべてみて、上から押して沈めてみます。するとどうなるでしょうか?
  1. 水に沈めるにはかなりの力が必要ですね。それもそのハズ、浮力がペットボトル500ml=500gの浮力を発生させています。なので500g以上の力で押さないと沈んでくれません。
  2. これはは1と比べるとラクですね〜。半分程の力、250gの力で押せば沈んでくれます。中に水が半分入っているので、浮力が250g減少しているので、1より少ない力で沈んでくれます。
  3. これはどうなるでしょう?さらにもっと少ない力で沈んでくれる・・・・では間違いです。何もしなくても勝手に沈んでいってしまいます。それもそのはず、ペットボトルは材料記号[PET]で比重は1.39、水の比重は温度によって変化しますが1.00です。水よりも比重があるPETでは、体積があれば浮くことはできると思いますが肉厚が薄いペットボトルでは重量に負けて沈んでいってしまいます。

 では、[3]のペットボトルから少しだけ水を抜いて、下図[4]の状態にしてみましょう。


 すると、どうでしょうか?キャップの部分だけで微妙な浮力を保って浮いていることができます。うまくバランス調整すると、キャップ面ヒタヒタにできるハズです。この状態でペットボトルを押すと、一旦は沈みますがゆっくりと浮いてきます。[2]のペットボトルでは半分ぐらいが水面上に出ていますが、[4]と比べると大きな力(潜航力)が必要です。[4]の状態であれば、少ない力で水の中に潜ることができます。

 このように、RC潜水艦は少ない力で潜れるようにセッティングする必要があり、またペットボトルの中の水の量を変えたように、RC潜水艦の中にバラストタンクを設置し微妙に水の量を調整することにより、浮き沈みすることが出来るのです。

 次回から、これらの基礎をもとに、RC潜水艦の船体で考えてみましょう(^0^)/

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[2008/12/10:執筆:yoshi / 編集:雲山]