◆灯油ポンプ改造、ポンプジェット推進装置◆ 【第1回】 |
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あのモデルをラジコン化したい!でもスクリューは使いたくない・・・ 手軽で安価なパワーユニット、水中モデルの為のポンプジェット作成方法解説。 ヴォイジャーやエンタープライズ、それに宇宙戦艦ヤマトとSFモデルを次々にラジコン化されたY_D_Dockさんが送る、ポンプジェット推進装置の製作ガイドをお届けします。 ●はじめに 1.ポンプジェットとは? 潜水艦のモデルがスクリューで推進するのは当たり前・・・、というか、本物がそうだからモデルでも同じように動くことが重要、というのは自明の理。でも、本来ロケットブースターやら、波動エンジンやら、ワープエンジンなどと言われているものは原理はともかく何らかのエネルギーを放出して前に進みます。じゃあそういうモデルを実際動かす場合にどうするか?というと、方法は限られてきます。 2.それでも選択肢は多い? まずいくつか考えられる方法として、ポンプによる水流噴射、次にインペラと呼ばれるスクリュー内蔵のもの。さらにはより高度な物になると電磁波やらなにやらの化学実験室のような方法・・・。あるいは浮力の増減による移動エネルギーを推進に変換するような機構・・・。いやいや、そこまで行くともはや化学実験室に・・・。 3.もっと身近に、手軽に出来る方法・・・ 最初に知っておいて欲しいのは、スクリューを使うというのは非常に難しいと言うことです。なぜか?それはモーターからのシャフトをスクリューまでつなげること自体、想像するより大変なことだからです。 たとえば、モーターをケースに入れて、ギアで減速して、それをジョイントで多少のブレを吸収させてそしてスクリューにつなげるという時に、どこに水密機構をつけるか?、そしてその水密機構(つまり防水)が完全に機能するかを考えると、まず絶望的な状況に追い込まれてしまいます。(これは実際やってみればよくわかります) 船の場合は船体とスクリューシャフトの接点に水密機構を作りますが、これも完全に漏れない防水を施そうとするとかなり大変な事になります。まして、船体ごと水の中に沈めるのですからモーターを組み込むユニットごと丸ごと水密化する必要があります。どんなパーツを使ってどうやって作るか・・・それはネットでアクアモデラーズメンバーのHPや『Blue World』内の各記事を見てまわれば、その方法が見つかると思います。・・・しかし、使わない方法も模索している場合具体的な方法は今までありませんでした。 そこで、ここに紹介するのが、YDD-VoyagerやRNさん、雲山さんのスペースシャトルでも使用している、簡単確実な水中パワーユニットの作成方法になります。 ●Pomp-Jet ベース:灯油ポンプ/バスポンプ 小型で推力を稼げる身近なもの・・・それが灯油ポンプです。ただし、灯油ポンプには改造に適する物とそうでない物があります。必須条件としては、モーターの換装が出来ることです。おすすめなのは今回事例として紹介している工進製のEP-103です。 http://www.koshin-ltd.jp/products/domestic/kerosene/index.html 大手ホームセンターやYahoo Shoppingなどで400円から1000円ぐらいで入手可能な物で、ホームセンター/大手家電量販店では10月から翌年の3月ぐらいまで販売されています。さすがに真夏には売っていません・・・。 灯油ポンプ交換用のモーターは6v仕様の280モーター(例Speed280など)を使用します。ネットではhttp://www.airmodel.net/frmotor.htmでも販売されています。ただし在庫がないと1ヶ月程度取り寄せ委に時間がかかります。 バスポンプの交換モーターは/7.2v仕様400クラスのモーターを使用し、バスポンプは同じく工進製のKPシリーズを使用します。 http://www.koshin-ltd.jp/products/domestic/bus/index.html *ラジコン用にはモーター換装しノイズキラーコンデンサを付ける必要があります。 ●これが工進製のEP10(2008/12月現在はEP103です) このポンプ、灯油ポンプの中ではダントツにデザインが洗練されていてかっこいいです(あんまり関係ないけど)。内部に内蔵されているモーターケースが分解できてモーター交換が出来るようになっています。他社製の多くの物はモーター自体がラバーで覆われていてモーターだけの交換は出来ないようになっています。これが凄く問題なのです。 ラジコンの場合バッテリーは6V〜7.2Vを使用します。更に受信機への影響を抑えるためにノイズキラーコンデンサの搭載が必要になります。ですから最初についている3V用のモーターでは使用できないので交換する必要があるわけです。 また、6V用のモーターに換装することによって当然性能も上がるわけです。(ただしバッテリーの組み合わせによっては3V用のモーターのままでもコンデンサの追加で使用することは可能です。これに関しては後述)。 *2007年にマイナーチェンジしてEP103になりました。単1電池から単3電池に変わりましたが 基本構造は同じです。以下の解説はEP-10を使用しています。 ●必要な材料と工具 材料:
工具;
灯油ポンプは毎年10月から3月頃まで店頭に並びます。その他の時期ではネット通販で入手できます。推奨はEP-103ですが、このサイズの物であって、モーター交換が可能ならメーカーは問いません。 製作解説にも出てきますが、モーター交換の時にノイズキラー・コンデンサを取り付けるためモーターをそのまま使うことは出来ません。コレをつけないと受信機がノイズを拾ってサーボが誤動作をしますので必須となります。 必要なのはポンプの先端部です。この中にあるモーターを換装して使用します。 換装するモーターは280クラスで6v〜7.2vが使用できるものを選択します。ここで使用しているのはラジコン飛行機用の280モーターです。 *モーターはGraupner280じゃなくてもバルクなどで売っている280の6〜7.2v仕様ものでも使用可能です。 上へ TopPage [2008/12/21:執筆:Y_D_Dock | 編集:雲山]
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