◆プロローグ◆ |
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水ものラジコンに興味をもたれた皆様、魅惑的な世界にようこそ! このページでは、水ものラジコンを始めるに当たって、知っておいた方が良いこと、準備しておくものについてかんたんに説明させて頂きます。 ●知っておきたい電波の事 ・電波の性質 ホビー用として市販されているラジコンの電波は空気中では数百mは届きますので、水上船のラジコンであれば距離はそれほど問題になりません。水中で動かすラジコン潜水艦などの場合、電波は水中での減衰が大きいため、それ程遠くまでは届かず、操縦可能な深度には気をつける必要があります。淡水中では大体4mくらいまでがラジコンを操作することの出来る限度となります。 最近では、2.4GHzのラジコン機器も増えてきましたが、電波は周波数が上がるほど水中で減衰しやすくなるため、操作の出来る範囲はかなり浅くなります。実際に実験した方の話では、水深40〜50cmくらいまでは操作が可能なようです。 ・FMかPCMか ラジコンの電波の変調形式としては、AM、FM、PCMの3種類があります。右に行く程ノイズに強くなりますので、特に不安定になりやすい潜水艦には向いています。ただ、PCMに比べてFM形式の受信機は数が多く、小型の物も種類が豊富な事からプラモを改造したラジコンには多く使われています。 ・使用できるバンドについて 水物ラジコンに使用できるバンドは27MHzと40MHzの地上用として規定されている以下のバンドになります。40MHzには下記以外にも77〜85の5つのバンドがありますが、それらは上空用のバンドなので、水ものラジコンには使えません。
それ以外にも、ISM(汎用)バンドとして規定されている2.4GHz帯の物も使用することが出来ます。 ●防水について 水ものラジコンとして避けて通れないのが、各所の防水になります。最低限必要なのが、スクリューシャフトと舵の防水ですが、これはスタンチューブや舵鞘を用いるのが一般的です。また、ラジコンに改造するプラモデルはどうしても大きさが小さくなり、波を被りやすくなります。そのため、ハルの防水も考える必要があります。 潜水艦の場合は、水圧の関係で水上艦船より防水に気を使う必要があります。構造としては、ハル全体を防水にするドライハルか、ハルの中に防水区画を作り、それ以外は水が入るセミドライハルという構造になります。特に防水区画は作らずに、個々の機材をWTCなど防水処理した容器の中に入れて、それ以外は水に浸かるウェットハルという構造もあります。 いずれにしても、スクリューシャフトやリンケージロッドといった駆動部分の防水には色々な工夫が必要となります。 ●揃えるもの ・ハル選び ハルとは船体の事です。艦橋その他上部構造物と区別する場合に用いますが、船そのもののモデルの事を言う場合もあります。水上船や潜水艦のラジコンを作ろうと考えた場合、全てを自作するフルスクラッチや市販のキットを製作する方法、それに当サイトで説明しているようにプラモデルを改造する方法があります。それぞれ一長一短がありますが、唯一お勧めしにくいのが海外メーカーの潜水艦ラジコンのキットです。フルスクラッチするつもりで、素材として購入するにはいいのですが、完成させるにはかなりの技術が必要となります。それに比べて水上船のキットでしたら、そこまで酷いものは最近は少なくなってきており、プラモデルさながらのパーツ構成のものも出ていますので、そのようなものは作りやすいでしょう。 プラモデルをラジコンにする場合、あまり小さいとラジコンのメカを入れにくいので、ラジコンにしやすい大きさの物を選ぶ必要があります。ラジコンへ改造するのに向いたプラモデルにはどんなものがあるかは『作ってみよう』の頁にて解説します。 ・各種工具 プラモデルを作るのに通常使う工具があれば十分ですが、最低限ニッパとカッターナイフ、ヤスリ、ピンセット、ラジオペンチ、ドライバーは必要となります。その他、ドリルや定規、差し金、ヘラ、半田ごてなど揃えておくと便利な道具が色々とあります。 ・各種ケミカル 接着剤やパテ、グリスの類です。プラモ用接着剤の他、ポリパテ、エポキシパテなど何種類かパテを用意して使い分けると良いでしょう。グリスは、一般のシリコングリスや汎用グリスを使用します。ゴムやプラスチックと接する所はシリコングリスや樹脂を侵さないグリスを使用して下さい。金属同士の潤滑には汎用のリチウムグリスなどを使用します。 ・プロポ ラジコンの送信機のことをプロポと言います。元はプロポーショナルな操作が出来る装置という意味合いだったのですが、詳しくは割愛します。2chの車用のものがあれば、ラダーとモーターコントロールに使えるので、水上艦船なら問題ありません。潜水艦に使うなら、潜舵の分があるので3ch以上は欲しい所です。サーボや受信機とのセットではなくプロポのみのばら売りなら安く手に入りますので、出来れば最初から6ch以上ある、多チャンネルのコンピュータプロポの購入をお勧めします。 ・受信機 ハルの大きさにも依りますので、操作したいギミックのチャンネルに合わせたチャンネル数の受信機を使用するといいでしょう。飛行機用の小型受信機の中には、水上では使えても潜水艦といった水中モデルでは使えないものもあるので注意が必要です。
・サーボ これもハルの大きさに合わせて、適切なサイズの物を選ぶと良いでしょう。大きな舵を動かすような場合、大きなトルクが必要になる場合があるので、サーボの大きさと共にトルクにも気を付けて下さい。 ・アンプ 日本ではアンプと呼ばれるのが一般的ですが、海外ではESC(Electoric Speed Controler)と呼ぶのが一般的です。バッテリー、受信機、モーターをつなぎ、モーターの回転数を制御します。BECと呼ばれる機能を持つものが多くあり、バッテリーから受信機へ電源を供給します。BEC無しのアンプを使う場合、別途BECを用意するか、受信機用のバッテリーが必要になります。自動車用として売られているアンプの中には、バックの無いものも多いのでご注意下さい。 遠心ポンプを用いた推進装置を使う場合には、逆転させてもバックは出来ないため、バック無しのアンプが使えます。この分野では、飛行機用のアンプが安く売られているので是非活用して下さい。
・バッテリー 単3型のニッケル水素バッテリーを束ねて作成したバッテリーパックが一般的ですが、車用に使われる2/3サイズのニッケル水素バッテリパックもよく使われます。また、最近はリチウム・ポリマーバッテリーも使われるようになってきました。ニッケル水素やリチウム・ポリマーといったバッテリーはそれぞれ専用の充電器が必要となるので注意して下さい。 ・充電器 バッテリーを充電するのに充電器が必要になります。充電器によって、充電できるバッテリーの種類が決まっているので注意して下さい。鉛バッテリー、ニッカド、ニッケル水素、リチウムポリマーの4種類のバッテリーを充電できるタイプが1万円前後で出ていますので、この辺りのものを購入しておくと良いでしょう。 充電器によって、家庭用のAC100Vをそのまま使えるものと、DC12Vの電源が別途必要なものとがあります。DC12V入力の充電器は、屋外で車用バッテリーから充電が出来るため、ラジコン用としてはもっとも普及しているタイプになります。DC12Vの電源も数千円で手に入ります。AC100Vを直接使用できるタイプの充電器は、若干値段が上がりますが走航に使用するバッテリーを前もって充電しておく使用法なら、こちらのタイプの方が場所もとらずに便利です。 ●予算 初めて水ものラジコンを始めようとした場合、どのくらいの予算が必要となるか、皆さん気になることかと思います。全てを一から揃えるとどのくらいの値段になるか概算で試算してみました。
かなり大雑把な数字ですので、購入するものによってこれより高くなる場合もありますし、安くなる場合もあります。プロポに関して言えば、最初からそこそこ高機能なものを購入しておくことをお勧めします。 ●走航場所 水ものラジコンで一番のネックが走航場所が限られることです。水のある所というのが必須なのですが、川や池などでは釣りを楽しむ方もいらっしゃいますので、そのような方々への迷惑にならないようにする必要があります。また、公園内の池などは市町村が管理しており、ラジコンを走らせることを禁止していたり、一定のルールに従わなくてはならない場合があります。ラジコンを楽しむのに適した場所を見つけた場合、まずは管理団体に尋ねてみることをお勧めします。 横浜市のように、市民プールを営業外期間に開放している自治体もあり、秋から春にかけての期間にラジコンボートの走航会がひんぱんに開催されています。このような場所を有効に活用するのも手です。 学校のプールなどへ、無断で侵入してラジコンを走らせることは絶対にやめましょう。 |
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