前回で左右張り合わせのハルを上下分割式に加工できた訳ですが、このままでは上下のハルを合わせにくいですし、真ん中辺りに隙間が開いてしまったりする場合があります。そのため、上下のハルを合わせた時にずれないためのガイドと、上下のハルを密着させるためのフックを作成し、取り付けます。
●フックの作成
フックは厚さ2mmのABS板で作ります。写真のように逆L字型に切り出し、ハルの曲面に合わせて側面を削ります。ハルの内側に紙やすりを貼り付けてヤスリ掛けをすると、適切な曲面になります。加工前のフックの側面が黒く塗ってあるのは均等に削れているか確認しやすくするためです。
●スパーの取り付け
フックが出来上がったら、フックを引っ掛けるスパーを取り付ける作業になります。このスパーは上部ハルに取り付け、フックは下部ハルに取り付けていますが、好みで逆でもかまいません。
まずは上下のハルを合わせた状態でガイドとなるマスキングテープを張ります。
マスキングテープをハルの合わせ目で切り、スパーとなる3mm角棒がはまる角穴を開けます。
ガイドに合わせてスパーとなる3mm角棒を仮固定し、その位置に合うようにフックを下部ハルに接着します。接着にはアクリル用接着剤を使用し、補強にプラリペアを盛っています。
上下のハルを合わせた時に、スパーがきちんと上部ハルに空けた穴に収まるか確認し、ずれているようなら穴の大きさ等を調整します。
問題なければ、スパーを上部ハルに接着します。アクリル用接着剤など流動性の高い接着剤では都合の悪い所まで流れ込んでしまう事があるので、プラリペアを盛り付けるように接着します。プラリペアを盛る部分は、V字の溝を彫っておくとより強度が増します。プラリペアが硬化したら、スパーの余分な部分を切り落とし、断面を整えます。
●ガイドの作成
フックを使うことで、上下ハルの密着性は増しますが、これだけだとハルの合わせ目はまだずれやすい状態ですので、ガイドとなる爪を作成します。このガイドとなるパーツはハルの曲面に合わせる必要があるのですが、1枚の板からきちんと合う曲面を作るのは難しいため、薄いプラ板を積層することで作成します。今回使用するのは厚さ0.3mmのプラ板です。
ハルの曲面部分に両面テープを貼り付け、2cm X 1cmの短冊状に切ったプラ板を貼っていきます。その上にさらにプラ板を接着していきます。接着剤が乾燥したら、さらにもう1層プラ板を貼り、計3層で作成します。この状態で完全に接着剤が乾くまで1日以上置いておきます。
ガイドが出来上がったら、ハルの合わせ目部分にガイドを接着します。
上下のハルを合わせてみて、ずれが無いことを確認してください。
フックもガイドも問題が無ければ、最後にスパーの内側の余分な部分を切り落とします。この時、フックに掛かる部分だけ残して切り落とします。
これで、上下に分けたハルがきちんと合わせる様になりました。フックのお陰でこのままでもある程度は固定されていますが、このままでは何らかの弾みでハルが外れてしまう可能性があります。そのため、きちんと上下のハルを固定する必要があります。次回はハルの固定方法をご案内いたします。
[2009/05/28:執筆:雲山]
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